「現代写真の多元性、これからの写真」イベント開催報告

2015年6月29日 | category: イベント


2015年6月26日、東京造形大学4-B教室にて「現代写真の多元性、これからの写真」イベントを開催いたしました。
イベントの詳細は下記リンクへ
http://photograph.zokei.ac.jp/event/4180.html

当日はあいにくの雨模様でしたが、校外からもたくさんの方が参加してくださり、有意義なイベントになりました。
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最初に有吉学長から今回のイベントの趣旨である、2016年度東京造形大学が創立50周年を迎えることについて、挨拶をいただきました。

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第1部、愛知県美術館「これからの写真」展からの報告として、愛知県美術館学芸員の中村史子さんの基調講演。「これからの写真」で展示された作家ごとの詳しい解説を話していただきました。

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続いて藤井匡先生の「現代美術の中の写真」という基調講演。
On the Exhibition Room 展
http://cas.or.jp/2015/Room/
における「写真」であるからこそ起きてしまう具体事例から、写真専攻のカリキュラムに見る写真のありかたなどを話していただきました。


第1部の最後に、東京造形大学写真専攻領域の卒業生と学生の作品を駆け足ではありましたが、見ていただきました。

休憩をはさんで、第2部のパネルディスカッションになります。
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司会のタカザワケンジ先生。「あえてテーマを定めずディスカッションしてみたい」

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鷹野隆大先生「写真の記録性を重要視しているが、そこからくるはげしい誤解もあると思う。」

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藤井匡先生「写真のメディウムの固有性と、その神格化が、さまざまな誤解につながっているのではないか。写真には魔術的要素がありますね。」

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中里和人先生「例えば、遺影を亡くなった本人と同一視するような感覚ですね。」

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中村史子さん「イコン的な感覚ですね。震災の時に傷んだ写真を他の何よりも復元したいという思いがあった。このことからも写真が単なる記憶としてだけでなく、写っているイメージと紙が同一視されていると感じる。」

このような話題から始まったシンポジウムですが、このあと「写真とマーケットの問題」「ドキュメンタリー作品が美術館に展示されることの意味」「資料的な写真と作品としての写真、また、時間が経つことによる写真の価値の変化」など、興味深いディスカッションが続きました。

最後のメッセージで鷹野先生から「学生たちはすぐに結果を出そうと思わないで長い時間をかけることを考えて欲しい」という言葉が印象的でした。

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最後に参加者全員の記念写真でイベントは終了いたしました。

参加してくださったみなさま、そして、会場に足を運んでくださったみなさま、ありがとうございます。

スタッフ
記録:高橋美登里、上原沙也加、倉重江衣
記録写真:石田宗一郎、吉良草太郎、田村連
動画記録:小野賢
協力:安部雅彦、寺田哲史