「フィルムフォトのアクチュアリティー」展  

2023年2月19日 | category: Teaching Staff


The Actuality of Film Photography

会期:2023年4月1日(土) ― 6月25日(日) 
開館時間:11時~18時30分(入館18時まで)
開館日 :木・金・土・日  休館日 :月・火・水
入場料:一般 500円 / 大高生 400円 / 小中学生 300円
会場:東京アートミュージアム

主催:東京アートミュージアム
企画:一般財団法人プラザ財団

オープニングレセプション : 4/1(土)16:00-18:30  

出品作家三人によるトークイベント
日時:2023年5月13日(土) 16:00-17:30
会場:ミュージアム館内(イベント開催時間は一般の入場をお断りいたします。)
予約: film.photo.tam.@gmail.com
定員:30名
参加費:入場料のみ
 
<アクセス>
京王線仙川駅 (新宿駅から区間急行で17分)
仙川駅から徒歩4分 

<会場>
東京アートミュージアム
〒182-0002 東京都調布市仙川町1-25-1
TEL :03-3305-8686(会期中)
http://www.tokyoartmuseum.com/


誰しもが映像を撮影し、その場で世界に発信できる現代において、フィルムフォトの作品はどのようなアクチュアリティー(現実性)があるのでしょう。本展はフィルムカメラを用いたストレートフォトグラフィーの作品と、写真家同士の対話を通じて、その重要性や可能性を探ります。
三人の写真家はキャリアの始まりからフィルムカメラを使い続けていますが、それが作品の内容と深く結びついているだけでなく、時代の変化とともにフィルムで撮ることに対してより自覚的になっているようです。 
作家たちは対話の中で、「シャッターを押したことは、種を撒いたに過ぎない」(由良)、「撮った時の感触が良かったら、見るまでずっといい気分。」(船木)、「自分が思い描くものとは別の答えが導かれる。」(小平)と述べています。これらは作品の中でどのように活かされているのでしょうか。本展は写真というメディアの在り方について、改めて考える機会となることでしょう。

由良 環 Tamaki Yura
4x5の大型カメラを構え、世界の主要都市の外縁部から中心に向けて撮影した『TOPOPHILIA』(コスモスインターナショナル 2012)で日本写真協会賞新人賞受賞。朝と夕方の決まった時間に定点撮影するという厳密な撮影ルールと、偶然との交錯の中に、都市の記号性を解体するかのような細部の豊かな写真像を出現させた。フランス、キューバ、ポーランド他、国内外で数多くの個展やグループ展に参加。近年は6x7の中判カメラを用いて世界各地を巡り、新たな視点を獲得し展開させたスナップショット作品『Partir』(BOOKS白水沢 2021)を上梓。

船木 菜穂子 Naoko Funaki
  2000年代後半にgallery Archipelagoを共同運営する。静謐さと饒舌さが同居するような独特の質を湛えたカラーフォトで、風景と女性のポートレートを呼応させた作品を中心に「ジョンとジョンと」、「あおあおとグリーン」、「みっつの点のきまりごと」など数々の展示を行う。代表作に『Vol.21 船木菜穂子』(ツバメブックス2012)がある。2022年、写真展「I’m OK.」(gallery 711)の際には、第三者が簡易な写真集を自由にプリントし鑑賞できる、コンビニプリントの注文ナンバーを公表した。清里フォトアートミュージアムに作品が収蔵されている。

小平 雅尋 Masahiro Kodaira (本展企画者)
 モノクロームのスナップショットによる根源的な風景の探求を通じて、自己と世界の関係性を探る。代表作に『ローレンツ氏の蝶』(シンメトリー 2011)、『他なるもの』(タカ・イシイ フォトグラフィー/フィルム 2015)がある。近年は新たなアプローチとして、いつも同じ時間に現れる青年を定点観測した『同じ時間に同じ場所で度々彼を見かけた』(シンメトリー 2020)や、コロナ禍の自室の生活をセルフポートレートしたモノクロームと、その部屋の窓に見える光景のカラーフォトを組み合わせた『杉浦荘A号室』(シンメトリー 2023)を出版。サンフランシスコ近代美術館に作品が収蔵されている。