ドキュメンタリーフォトグラフィ展 「いまを写す、これからを視る」

2017年10月21日 | category: ZOKEI PHOTO LAB.


ZOKEIPHOTOLAB. Vol.11

ドキュメンタリーフォトグラフィ展「いまを写す、これからを視る」

東京造形大学写真専攻領域では、写真研究の重要な柱としてドキュメンタリーフォトグラフィを研究指標科目に置いてきました。ドキュメンタリーフォトの特色は、目の前の対象に対し、観察、記録を基本に様々なアプローチを行い、現実を記録し記憶化させていくものです。

本展では、造形大学で写真を学び、その後ドキュメンタリーフォトグラフィの視点から、写真家として活躍する五名の作家を招き、現代の様々な事象に接する過程で生み出されてきた秀逸な作品を紹介いたします。

石田宗一郎は、現代のデジタルイメージングの先進的カメラ技術を駆使し、街を監視カメラでスキャニングするように、即物的な町並み転写を実践し、地域社会の街景観アーカイブズにも連動しています。

熊野紗綾は、生まれ育った千葉市の名づけようのない片隅を追い求め、自身の原風景とシンクロさせながら記憶の痕跡を集めていきます。

田山湖雪は、生まれ育った静岡の土地をフィールドに、歴史や環境の中で地誌的風景を読み解き、現代日本のどこにでもある日常的な風景の依り代を定着させようと試みています。

門田紘佳は、旅の視線に身を委ねながら、現実の世界と自身の心的世界を交錯させ、日常の中に潜む存在と不在の境界を軽やかに綱渡りしています。

由良環は、世界の首都を旅しながら、場所が生み出す気配に着目し、大型カメラで客観的で類型化された都市景観を記録化しています。

2017年11月13日(月)-11月18日(土)
10:00-17:00
*11月14日(火)のみ14:00-17:00
会場:東京造形大学12号館1F ZOKEIギャラリー
主催:東京造形大学/東京造形大学写真専攻領域

出展者紹介


石田宗一郎 Soichiro Ishida
石川県七尾市出身。2012年写真専攻領域入学。2015年度卒業制作展で、ZOKEI賞受賞。卒業制作より、都市の景観を緻密に再現したドキュメンタリー写真を撮影・発表している。2016年には、岡山県倉敷市で行われたPARTY展にて、同シリーズの作品を発表。現在は、岐阜県岐阜市での発表に向けて現地をリサーチ中。



熊野紗綾 Saya Kumano
千葉市出身。2010年写真専攻領域卒業。2012年個展「日々」2013年以降NODE参加。2017年船橋市写真展写真集の部優秀賞受賞。卒業後地元千葉の写真を撮り続ける。見慣れたどこにでもあるような景色がふいに異質なものに見える瞬間を集める。



田山湖雪 Tayama Koyuki
静岡県藤枝市出身。2011年写真専攻領域卒業後、三重県伊勢市へ移住しローカル出版社に勤める。2015年「三重ワンダーランド」を月兎舎より出版。2017年より静岡の場所を切り口にした写真季刊冊子「ちてんち」の制作にとりかかる。地形がもたらす人の暮らしに興味を持つ。現在東京を拠点に静岡各地へ足を運んでいる。



門田紘佳 Hiroka Monden
2004年写真専攻領域卒業後、日本デザインセンター入社。小中高校での写真授業講師等を経て、現在は“不確かさの確かさ”をひとつの手がかりにしながら日常のスナップショットを撮っている。2017年個展「1’’44」にてFOTOPREMIO年度大賞受賞。12月にMGGにて個展開催ならびに写真集発刊予定。



由良環 Yura Tamaki
1996年デザイン学科Ⅱ類・建築専攻卒業(現、室内建築専攻領域)2012年、世界の10都市を同じ基準で捉えた作品「TOPOPHILIA」を発表。2013年から、世界の都市でストリートフォトの撮影を開始-「都市の距爪」近年、都市の外郭そのものから、都市の作用へとテーマが移行してきている。著書『TOPOPHILIA』(2012年)、日本写真協会賞新人賞受賞(2013年)。

関連イベント・シンポジウム

「五つの記録、五つの記憶」
※参加費無料/事前申込不要
11月14日(火)17:00–19:00
参加者:石田宗一郎、熊野紗綾、田山湖雪、門田紘佳、由良環
司会:中里和人(東京造形大学教授)
主催:東京造形大学写真専攻領域
ZOKEIPHOTOLAB.実行委員会

「高校生向け写真講座」
11月18日(土)15:00–17:00
12号館1F ZOKEIギャラリー
展示作品フロアレクチャー