連続シンポジウム第2回「諸外国の美術教育事情」

2024年10月30日 | category: イベント


連続シンポジウム美術と写真を考える
第2回 諸外国の美術教育事情

東京造形大学写真専攻領域では、毎年秋に行う3・4年生の成果発表展において、美術・写真・教育を考えるシンポジウムを開催しています。
2回目となる今回は「諸外国の美術教育事情」をテーマに、韓国やイギリスで学んだ経歴を持つ方々をお招きし、「美術」の社会的位置付けについて日本と比較しながら、その可能性について探ります。

日時
2024年11月24日(日) 15:30-17:00

会場
BankART KAIKO
横浜市中区北仲通5-57-2 KITANAKA BRICK & WHITE 1F
みなとみらい線 馬車道駅(2a出口)より徒歩1分
(「東京造形大学 写真研究所—ミクロな視点とマクロな視点—」展示会場内)

主催:東京造形大学 写真専攻領域
お問い合わせ:写真専攻領域コンタクトフォーム
https://photograph.zokei.ac.jp/contact.html

趣旨
美術との出会いは、人生を豊かにします。もっとも美術そのものは、何かに奉仕するものでは決してありません。しかし美術は、人が生きていく上で必要な拠り所や、多様な考えが共存する場を与えてくれるのではないでしょうか。とりわけ中高生を含む若い人々は、人生の様々な問題と出会います。美術や写真表現が寄与するものは案外大きいと思います。
右記の考えのもと、昨年は高校で美術教育の現場にいる方と美術館で長年教育普及に携わってきた方をパネリストに迎え、それぞれの近況を伺いました。
結果は、美術館のワークショップに参加するような子供は、つまるところ親の影響が大きいのではないかという話になり、ではそんな“親”を育む契機のひとつである教育の現場がどうなっているかといえば、高校において、美術は余計なものとして削られる傾向にあり、誰もこの流れを止めようとしないという「どうしようもない負のスパイラルに陥っている」危機的状況が報告されました。
この結論を受け、今年は、「諸外国ではどのような美術教育がなされているのか?」という問いを手始めに、そこから見える「美術」概念や、「美術」が社会的にどのように位置づけられているのか、さらには「美術作家が職業として認知されているのか」などについて話し合いたいと考えています。
このシンポジウムは、中学、高校、大学、美術館等で美術の教育や普及、研究に携わる方に是非ご参加いただきたいと考えています。もちろん、高校生や保護者、一般の方、表面に掲げた言葉に少しでも反応された方にも是非ご参加いただければと願っています。

登壇者略歴

金 仁淑(キム・インスク|KIM Insook|アーティスト)
大阪府生まれ。ビジュアルアーツ専門学校大阪夜間部写真学科卒業。漢城大学芸術大学院西洋画科写真映像コース修了。大学院への留学を機に2003年から韓国を拠点に国内外の美術館や芸術祭にて作品を発表。2018年から東京とソウルを拠点に制作活動を展開。国立現代美術館(韓国)やデュッセルドルフ市(ドイツ)が運営するアーティスト・イン・レジデンシーなどで滞在制作を行い、恵比寿映像祭2023コミッション・プロジェクト第一回特別賞、第48回木村伊兵衛写真賞(2024)などを受賞。国立現代美術館(韓国)、ソウル市立美術館、東京都写真美術館などのパブリックコレクションに作品が収蔵される。

山本 浩貴 (ヤマモト・ヒロキ|文化研究者)
1986年千葉県生まれ。文化研究者。実践女子大学准教授。2010年一橋大学社会学部卒業、2013年ロンドン芸術大学チェルシー・カレッジ・オブ・アート修士課程修了。2018年、ロンドン芸術大学博士課程修了。アジア・カルチャー・センター(光州)リサーチ・フェロー、香港理工大学ポストドクトラル・フェロー、東京芸術大学大学院助教、金沢美術工芸大学講師などを経て現職。単著に『現代美術史——欧米、日本、トランスナショナル』(中央公論新社、2019年)、『ポスト人新世の芸術』(美術出版社、2022年)。共編著に『この国(近代日本)の芸術——〈日本美術史〉を脱帝国主義化する』(小田原のどかとの共編、月曜社、2023年)。

北野 謙(キタノ・ケン|東京造形大学写真専攻領域 特任教授)
大学では演習授業「表現研究」とゼミナールの他、本シンポジウム及び展覧会を担当。写真家としては自己と他者、対称性をテーマに作品を制作。国内外で展覧会多数。作品は東京国立近代美術館、東京都写真美術館ほか多数の美術館に収蔵されている。

鷹野 隆大(タカノ・リュウダイ|東京造形大学写真専攻領域 教授)
大学では演習授業「理論研究」のほか、「地域研究」などを担当。2006年、木村伊兵衛写真賞受賞。2001年、国立国際美術館(大阪)にて個展『毎日写真1999-2021』開催。2022年、芸術選奨文部科学大臣賞(美術部門)、写真の町東川賞国内作家賞を受賞。

展覧会「東京造形大学 写真研究所—ミクロな視点とマクロな視点—」

写真専攻3・4年生の研究指標科目「写真演習A(表現研究)」の成果発表展示です。
2024年11月22日(金)〜11月28日(木) 11:00〜19:00 最終日は16:30まで
https://photograph.zokei.ac.jp/advanced-class/7547.html