中里ゼミ校外授業

2011年6月10日 | category: Advanced Class


こんばんは。写真3年改め、4年担当の川村です。

戦後最大規模の大震災の影響が東北地方だけでなく周辺各地でも見受けられる中、造形大もゴールデンウィーク明けから1ヶ月遅れのスタートを切りました。

さて、造形大では4年生から各専攻の教授の下でゼミが開講されます。

写真のゼミは普段お世話になっている中里先生のほか、客員教授の高梨豊先生、そして今年から大西先生が受け持っており、写真専攻の学生だけでなく他の専攻の学生も受講できるシステムになっています。

私川村は中里先生のゼミ(以下「中里ゼミ」)を受講しているのですが、このゼミで5月末にあきる野市の少女まんが館と弁天山に行ってきました。

前半、まず向かった先は中里先生と交流のある中野純さんが開いている「少女まんが館」。

青一色で塗られた家屋と中の少女漫画の数に圧倒されます。

(場所の情報は文末に表示)

青い外壁塗装が特徴的な少女まんが館

大量の少女漫画誌

あまり少女漫画とは縁がないので多くを語ることはできませんが、少女漫画といえばキャラクターの目の大きさと瞳のキャッチライト(星)。

かつて日本画家の竹久夢二が目を大きく描いていたといわれますが、それ以上に大きな瞳の中に緻密に描かれる光にはよくこんなに細かく描けるものだと感心させられます。

少女漫画の話題はこの辺りで切り上げて後半の話題に入りましょう。

今回の目的は少女漫画だけでなく闇夜の散策。

少女まんが館から少し離れた弁天山に赴き、ある程度登った先にある小さな洞窟の中に潜るという夜の冒険コースです。

コースの入口はこの鳥居の左側

夜の山にたたずむ建物

最終的にたどり着いた洞窟は光などない闇の世界。これぞ「闇夜の散策」の醍醐味。

そこに至るまでの山道も別世界。

木の葉で遮られながらわずかな青みがかった光が地上に届き、鳥や虫の声だけが響く空間は、普段私たちが暮らしている東京の喧噪からは想像しがたいものです。

徐々に夜が近づく山道をしばらく歩くと目的地の洞窟が。

薄明かりの世界から潜り込んだ闇の世界は外より遥かに涼しく、夏の避暑には向いている場所でした。

この日は比較的涼しかったこともあり、むしろ寒いほどで上着が手放せず。皆息が白いことに驚いていました。

洞窟の入口を撮影する

この洞窟はあまり広くなく、許容はおそらく30人程度でしょうか。

高校時代の修学旅行で潜った沖縄のガマ(防空壕)より狭い空間ですが、最近奥の方に不思議な穴が見つかり、その穴が江の島に通じているという噂があるそうです。

江の島の洞窟といえば富士山に行けるという噂が有名ですが、噂の真偽は定かではありません。

気になる話ですが、証明するとなると難しそうです。

ゼミのテーマとして「風景の境界」があり、今回は「光と闇の境界」を散策してきました。

個人的に夜の高尾山や片倉城址公園(どちらも八王子市)に懐中電灯を持って入ったことはありますが、闇の中を歩くのは未知の世界を旅しているようで年甲斐もなくワクワクしてしまいます。

機会があればまた夜の冒険をしてみたいものですが、夏には千葉房総方面への合宿も計画されているようなので今から楽しみです。

今回はゼミの様子をお届けしました。

前回の記事が3ヶ月前。ちょうど大震災の日でしたが、その時はまだ次々と起こる被害を想像できずにいました。

交通インフラや通信、電気を当然のように享受してきた現代人にとって、これらの供給困難は大混乱を招くことになり、被災地を中心に今なお状況は改善されていません。

震災に関する情報、特に放射能問題に関しては東京電力からも政府からも不確かな情報がわずかに示されるだけです。

少ない情報からいかにして埋もれた真実を掘り出すか。ジャーナリズムの役割というのはそこにあると私は考えます。

写真専攻の学生が作家として、企業や団体のカメラマンとして、ジャーナリストとして、教員として… どのような将来を歩むにせよ、真実を見抜く力と姿勢は必須です。

学生生活が残りわずか(…であると願いたい)の私でも、その点は大事にしていきたいと思います。

<少女まんが館について>

住所:東京都あきる野市網代155-5 地図(Googleマップ)

アクセス:JR五日市線 武蔵増戸駅下車 徒歩15分から20分

ホームページ:http://www.nerimadors.or.jp/~jomakan/