大辻清司・高梨豊/展覧会見学

2017年9月19日 | category: Creative Photography


3年生のクリエイティブフォトグラフィを学ぶ授業(写真制作演習B)では、附属美術館で開催中の『大辻清司・高梨豊 ー写真の「実験室」と「方法論」ー』を見学しました。
(記録写真:金子慶美、納富由利香、吉野羽南)

東京造形大学の写真教育の礎を築かれた大辻氏と、2015年度まで専任や客員教授として造形大学で教鞭をとられてきた高梨氏の、写真家・作家としての仕事と出会える絶好の機会でした。

大学の収蔵作品を中心にしたお二人の写真を通し、日本の写真界を牽引してこられた写真表現の幅や質に直に触れることができました。展示作品の表現の系譜は、今も写真専攻領域に受け継がれてきています。

参加学生の感想

大辻清司さんの町角を定点で撮影した映像作品がおもしろかった。昔のデザインの車や服装、下駄の音がする何気ない風景が素敵でしたが、時代が変わると、いま見ている風景も同じように「古い風景」になっていくのだと思うと、自分が撮る写真の見方も変わる気がしました。

高梨豊さんの青春18切符の旅で撮られた写真が好きだった。制作ノートには克明にコンセプトが書かれていて、思いつきで撮影していないんだなと、感じました。

写真制作演習B 担当教員 鷹野隆大先生

学生たちは各人各様の興味に応じて熱心に見ていたが、とりわけ関心が集まったのは、街角を固定カメラで長回しした大辻清司氏の映像作品だった。1973年に撮影された、極めて地味なこの作品が彼らの興味をひいたことに少々驚いている。過ぎ去った時空という意味も含め、彼らにとって「時間」は興味あるテーマのようだ。写真をイメージ性のみで考えがちな若い世代にとっても、この展覧会は新たな視点を与えてくれたのではないかと思う。

『大辻清司・高梨豊 ー写真の「実験室」と「方法論」ー』

2017年9月13日(水)-10月12日(木)
休館日:日曜・祝日および9月20日(水) 
※ただし9月18日、10月9日は開館
入館無料

詳細は下記リンクへ
http://photograph.zokei.ac.jp/information/6163.html

関連イベント

シンポジウム「継承と展開 ―写真について/写真を介して―」

日時:2017年9月25日(月)17:00-19:00     
会場:東京造形大学12号館2階201教室   
パネリスト:潮田登久子(写真家)、鈴木秀ヲ(写真家・東京造形大学非常勤講師)
小平雅尋(写真家・東京造形大学非常勤講師)、門田紘佳(写真家)
モデレーター:中里和人(東京造形大学教授)
藤井匡(東京造形大学准教授)

高梨豊 特別講義「“写真作家”とは何か?」

日時:2017年10月3日(火)16:40-18:10 
会場:東京造形大学4号館桑沢記念ホール2階4-B教室
講師:高梨豊(写真家)
聞き手:タカザワケンジ(写真評論家・ライター・東京造形大学非常勤講師)

ギャラリートーク

第1回9月13日(水)17:30-18:10
第2回9月26日(火)13:30-14:10
担当:藤井匡(東京造形大学准教授)、附属美術館学芸員

みなさまのご来場お待ちしています。
東京造形大学写真専攻領域