パンフレットを作った学生インタビュー

2013年4月29日 | category: キャンパスライフ


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写真専攻では毎年パンフレットを制作しています。今年のパンフレットを制作した学生、清水彩那さん、平本倫子さん、安井咲さんの3人に話を聞きました。

今年3人がやることになったきっかけは?

清水
去年の9月くらいに2年生が呼ばれて「やります!」って言ったのがこの3人でした。去年は4年生が1人で造ったそうですが、わたしたちは、2年生なんで、3人で分担してやってみないか? って言われました。
「清水は編集、安井は写真、平本はデザイン」って、これまでわたしたちが造ってきた作品を見てきた大西先生が担当を決めてくれました。

まずは何をやったの?

清水
みんな自分のアイデアをプレゼンしたんですけど、平本が今回の折り方を参考にしたリーフレットを持ってきて、実物を見るとこれがいいんじゃないかってなったんです。
最初は、迫力を出したくて、この開いたでっかいページを使って、ポスターみたいな感じに2点くらいの写真をぼーんって見せたいという案もありました。
平本
そのあと、このページにこれくらいの分量で設備が入る、授業が入るって簡単なダミーを作って、進めました。
清水
最初、写真専攻が全員集まった写真をどこかにのせようって言ってて、本気でやろうとしてたんだけど、外部から見るとちょっとどうかなって思って。
平本
学生の声や、写真専攻の1日とかをのせることも案としてあったけど、なくなったね。

では、編集の清水さんから

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清水
デザインと写真担当の2人に対して全体の指揮をとるように言われて、主にはOBの方と作品ページのインタビューをしました。
もともと自分の作品のなかで、文と写真を組み合わせてブックを作るのが好きで、プレゼンをするときもスライドと文章を合わせて演出するのが好きだったんですね。そんなところを大西先生がみて編集を任せてくださったんだと思います。
今回は、高校生に見てもらうっていうのが大切だったので、どういう言い回しにしようかとか考えました。例えば『フォトグラム』という言葉を見る人がわからなかったらどうしよう? っていうのもあって。説明をつけるか、文章に組み込むか? とか考えましたね。

平本さんはデザイン担当ですね。

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平本
デザインは全体的にスタイリッシュにしたいなという思いがあって。形態も好きなようにしていいよって言われたので、A4を細長くすればデザイン的にもスタイリッシュに見えるかな? って思いました。
初めてDTPソフトのInDesignを使いました。姉がやっていたので、基礎を教えてもらって、あとは本を読みながら、ちょっとずつやっていったんです。
紙を開いていくので、統一感を出したいなぁと思って、全ページにさし色としてピンク色を使ったり、線を利用したりして、全体がつながるようにデザインしました。

写真担当の安井さんは、どのページからとり始めたの?

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安井
最初に自分たちの必修の授業とか、他の専攻の人が集まる授業とか、授業風景をたくさんとるところから始めました。
設備の写真は簡単かな? と思っていたんですけど、暗室は3回くらいとり直しました。ランプヘッドの位置が低いとか、広さがわからないとか、ライトが赤すぎるとか…。
今までは自分の作品しか造っていなくて、自分がいいと思えばそれでよかったんです。でも今回は、見る人の気持ちも考えなくてはいけなかったので、自分の考えだけじゃできなかったのが悩んだところですね。それは楽しかったところでもあるんですけど。

見開きページの写真はどうやってとったの?

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パンフレット見開きページ

安井
見開きページが一番難しかったです。ここは具体的なものではなくて抽象的な写真を置こうって話をしていたんですけど、わたしが思うイメージと、他の2人が思うイメージ、大西先生が思うイメージ、いろんなイメージがあって、それを形にするのがすごく難しかったです。
平本
むっちゃ大変だったよね(笑)。
安井
写真をとって、PCで見て「いいな」って、これで決まりって思うんですけど、家で見直したら違うな、と。一枚の写真自体はいいんですけど、他の写真とのバランスで色合いを編集したり、こっちに合わせたら今度はこっちの写真が違うなとか思って、また別のを合わせたり、その繰り返しでした。
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photo: yasui saki

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photo: yasui saki

平本
写真とっているときにノートパソコンもっていって、レイアウトしているところに実際にはめ込んでみると、ぜんぜん違うんですよ。
安井
わたしがイイと思って、よし!ってはめてみると、これあかんなって。2人が、あっこれイイって思っても大西先生が「これちょっとな。これメルヘンだね。女の子っぽすぎるかな。」って(笑)

OBページの人選はどうやったの?

清水
OBに関しては、中里先生が美術教師の旭さんや、Webデザイナーの永澤さんのようにいろんな職業の方をのせたいって。でも、写真関係の仕事じゃない方をのせてもいいのか? ぎっちり写真の仕事に就いている方をのせたほうがいいんじゃないか、って思ったりもしたけど、卒業してこういう道もあるんだって、幅広い道があるんだってわかってよかったな。
平本
高校生たちが見るときに、卒業したあとのことも重要だって思って、OBページは大きくとり上げることにしました。

インタビューをしてみた感想は?

清水
ほとんどの方はメールでインタビューをしました。質問の内容によって全体のイメージが変わってくると思って慎重になったんですけど、造形の写真を目指している高校生が訊きたいようなことを重視しました。
乙咩(おとめ)さんだけ忙しいから電話でって言われて、深夜1時くらいに、すっごく緊張しながら電話しました。実際生で声を聞くと、スタジオの現場でやっていることとかも聞く事ができたり「 いま写真専攻どんな感じ?」 なんて逆インタビューもされたりして(笑)。すごく話しやすくて、楽しかったです。
森本さんは、InDesignのデータを修正してくださったり、写真のサイズもこういう風にって修正指示があって、プロだ~って思いました(笑)。

作品ページはどのように組んでいったの?

平本
大西先生を交えて、卒展をみんなで観にいって相談して誰の作品をのせるか決めました。写真のバランスも重要でしたね。最初、それぞれが同じような構成だったんですけど、メリハリをつけて、写真のスタイルがかぶらないように気を使いました。
安井
(いま写真とってる)村永の写真なら1枚で伝わるよって。あとカラーとモノクロのバランスとか。どぎつすぎるから、もうちょっと柔らかい写真の人を入れたり。
清水
高校生と一番近いのが1年生なんですよね。だから、最初から1年生の作品はぜったいのせたいなって思っていて。入学したあとに、自分がどうやって写真をとっていくかって学年ごとにヴィジョンが見えてくるかなって思って全学年のせることにしたんです。
安井
3、4年生とは授業で一緒になることがあるんですけど、1年生とは一緒になる授業もなくて、写真を見る機会がないので、どういう写真をとっているのかわからなかった。
清水
1年生の作品をこれに決めたのは、大西先生が勧めてくれたこともあるけど、偶然1年生の作品提出のときに先生の研究室にいて、そこで作品を初めて見せてもらったんです。このシリーズはいいなと思って、この作品を入れようって決めたんです。

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作業を進めていて大変だったなぁって思ったところは?

清水
キャッチコピーですね。すごい量を考えて、すごい量を削りました。
暗室の「写真とゆっくり向き合える場所。」というのは最初からハマってたんですが、スタジオのコピーが決まらなくて、「光の魔術師ってのはどう?」って、大西先生がすごく押してくるんです。でも、わたしたちはちょっと違うよね~って言ってて(笑)。
もう何回も何回も考え直してやっと、最後の「光をデザインする」がハマったみたいで(笑)。大西先生が「これだよ~これを待ってたんだよ!」って。
平本
デザインに関しては、(PCの)画面で見るのとぜんぜん違うんですよね。紙に出さないとほんとうにわからなくて。家でダミーを広げて、はりつけながら、何回インク交換しているんだろう? って、バカみたいにインクがなくなるくらい何回も印刷して(笑)。でも、実際にプリントして配置するとほんとうにぜんぜん違いますね。何センチ、何ミリの幅も、画面で見るのと違ってちょっと狭いかな? って思ったらすぐ修正して、ちょっとずつちょっとずつ修正してましたね。
安井
写真に関しても画面で見るのと違うんですよね。わたしも特に見開きのページは何枚も印刷して確認しました。『ZOKEI』の文字の色、写真の色とか、線の色とか字体とか細かいところが少しずつ変わっていったので。
平本
何パターンもPDFで出して、安井に送って、こうなったんだけど、「ZOKEIの文字の色、黒に戻したほうがいい? 」って訊いて。「この写真だけこの色変えようよ」、とか「それおかしいよ」、とかいろいろやりとりしたよね。いろんな案出し合って、ここの色が変わったらここが変わるしとか。
清水
PDFがすごく行き交っていたよね。
安井
デスクトップにいっぱいいろんなPDFが、がーっとあって。
平本
作品ページのレイアウトのときも、わたしが行き詰まって何回見てもわかんない! って。
安井
見過ぎるとまたわからんくなるしな。
清水
息抜きが大事だと思った。そんなときは、ちょっと離れたよね。息吸おうとか、ご飯食べようとか。
平本
あと、CMYKに変換するのが大変だった。
安井
すごい大変やった、それ!
平本
色校正は1回だけで、本紙校正じゃなく紙が違うんです。黒のしまりが出ていなかったり、実際の色と違う作品が出てきたりと、自分では操作できなかったので、それは印刷所に言葉で説明しようって、作品の作風のイメージとか、緑をもうちょっと明るくとか、オリジナルのようにしてほしいとか伝えました。
でも、全体的には大丈夫でしたね。レイアウトのときから、ここにこの色がくれば大丈夫って考えて配置していたので、色校正との差にびっくりしたということはなかったです。

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印刷所も見学したんだよね。

平本
面白かったです。町の小さな印刷所で、働いている方が、主婦の方とか若い方とかで、意外でした。実際の印刷しているところを見学できたのは、このパンフレットを刷っている時ではなかったんですけど、大きな紙がすーっと出るところや、紙を切るところも見学させてもらいました。

今回パンフレットを造ったことで、楽しかったことというか、発見できたことってある?

清水
人に見られるっていうのが、このパンフレットでは露骨というか。それが前提で文を書くとか、写真と組み合わせるというのは、いままでは自分主体で自分がよければいいっていうことだったんですけど、見られることを意識すると、わかりやすく伝えられるようにしようとかありますね。
安井
自分で造ってみると、こんなに難しいものだったのかってわかって、例えば何かのポスターとか見ても、頑張ってやったんだーって、これまでとは見方が変わりました。
平本
1年生のときに、デジタルのことを学んだけど、よくわかってはいなかったんです。今回、CMYKのこととか、印刷するときの解像度は350は欲しいよ、とか、やってみてやっと理解が深まりました。

インタビューを終えて
3人がそれぞれにアイデアを出しあいながら造っていったことがわかって、あらためて素晴らしいパンフレットになったと思いました。
今日はありがとうございました。

インタビュー/文:首藤幹夫
インタビュー写真:村永真樹