デジタルネガからサイアノタイププリント

2015年11月1日 | category: Basic Class


1年生のデジタル基礎の授業「写真撮影A」は撮影を中心にした実習を行っています。10月30日の授業ではデジタル写真(データ)から写真の古典技法といわれる「サイアノタイプ」を制作する実習を行いました。これは、デジタルの新しい技術と写真の古典技法を組み合わせたハイブリッドな作品制作ともいえます。

最初にデジタルの作業として、自分で撮影した写真からLightroomやPhotoshopを使ったデジタル処理で白黒の反転画像(ネガ)を作ります。それをインクジェットプリンターでデジタルネガフィルムに出力して、原版を作成しました。

さて、ここからがアナログの作業です。
まずサイアノの薬液を作ります。
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慎重に計りながら薬液を調合します。

そして、できあがった薬液を紙に塗布していきます。
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露光を始めます。
露光といってもサイアノタイプは紫外線で感光するので、いわゆる日光写真といわれるものです。
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露光時間は夕方の太陽の日差しを考えて30分としましたが、予想以上に秋の陽の落ちるのが早く、露光時間を延ばしました。
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露光中!
秋の日差しは気持ち良いです。

さて、出来上がりは?
ネガの濃度の問題や、サイアノ薬液の塗布の仕方の差などでうまくいったりいかなかったりがありましたが、おおむね成功だったと思います。
以下写真はデジタルネガとできあがったサイアノタイプを並べたところ。

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デジタルとアナログを組み合わせることによって、デジタル写真の多様性についてさまざまな話し合いができ、これからのデジタル写真の方向性を考える契機になりました。