2021年2月16日 | category: Student Work
東京造形大学大学院で写真を研究する修士1年と修士2年6名による、アートブック展と小さな写真展を開催します。
展示会場となったKABは、迷路のような路地が続く東京の下町向島にあり、古民家を改装したオルタナティブスペースです。
本をテーマにした会場内には、天井まで届く本が溢れ、さまざまな本と対話しながら写真展をご覧いただけます。
今回展示したART BOOKには、会場付近の町のスナップショットから、香港の現代的なシーンまでと多様性があります。本の形式も手作りからオンデマンド印刷まで、ART BOOKの新たなデザインも含めご観覧ください。 東京造形大学写真専攻教授 中里和人
[会期]
2021年2月16日(火)ー2月28日(日)
12時ー18時(最終日は17時まで)
[場所]
KAB Library and Residency
墨田区京島2-24-1
[アクセス]
・京成曳舟駅から徒歩9分
・東武鉄道小村井駅から徒歩9分
・押上スカイツリー駅徒歩11分
・押上駅より、すみだ巡回バス北東部ルート「下町人情キラキラ橘商店街入口」下車徒歩2分
[アーティストトーク]
2月23日(火・祝)14:00ー16:00
参加作家
胡元慶(コ ゲンケイ)、聶澤文(ネ タクブン)、田潔(タ ケツ)、兪姍含(ユー シャンハン)、方健威(ホウ ケンイ)、陳一琳(チン イリン)
講義:中里和人(アーティスト/東京造形大学教授)
進行:嘉藤笑子(KAB Library and Resaidency代表)
参加無料
※オンラインによるイベントなので事前に申し込みをいただいて、ZOOMサイト情報を送付します。
[問合せ・申込先]
http://kab-air.com/
KABlibresidency@gmail.com
作品紹介
さわれない80% / 兪 姍含
東京の下町を歩いた時、懐かしい気分に包まれた。そこには子供の頃の記憶につながる懐かしさがあったからだと思う。実家で暮らしていた時に生じた膨大な記憶が、下町の窓を見ることで再生され始めた。窓を通じて向島で過ごした時間と自分の記憶が重なる、重なるがさわれない、そんな妙な揺らぐ空気を写真に投影した。
SUIT CITY / 田 潔
街を行き交う人の流れは、道路や建築物、街路樹植のように都市景観の一部である。中でもスーツ姿で移動するサラリーマンは、街でよく見かける人たちでありながら、特に注目される存在ではなく、都市景観の中で忘れられたような光景に思える。
私は都市の中でスーツ姿のサラリーマンを観察し、匿名性としして存在する彼らの無個性的な姿を、現代都市景観における集団性のイメージとして探究しようと思う。
projected world / 胡 元慶
都会では人工物以外のものを見かけるのは難しい。あらゆるものが意識できちんと作られていて、行き着くところが意識の投影。人類はかつて自然という現実を無視し、意識で作られた御伽噺の世界に住むことにより、自然から自己を解放した。意識が現実となった以上、我々は本当に解放されたのか?ようこそ、御伽噺の世界へ。
PTUHKI 24E30M / 聶澤文
このシリーズは2019年香港民主化運動の現場スローシャッターで撮影した。
この運動の中、IDを隠すことはプロテストたちだけでなく、警察の側警官番号を現わせず。
大陸人の私は、エモーショナルなデモと客観的な都市景観を交錯した写真集を作り、自分のアイデンティティのあり方にも疑問を持つ。
雲の水たまり / 陳 一琳
ある晴れた日、路上の水たまりに雲が映っていた。光を反射させた水面はどこまでも澄んでいて、くっきりと映った雲に触れたような感覚が鮮明な記憶として残っている。
時々、自分の意識の外にある日常の中の光景に気づき、その水たまりを見た時のセンセーショナルな感覚が蘇る。
どんな光景も日々姿を変容させ、消えてしまう。それらが消える前の一瞬のきらめきを拾い集めることにより、シンボリックな意味性からは見えなかった儚い物語を紡ごうとした。
FABRICATED / 方 健威
私たちがいるこの世界では、目の前に見えるすべてのものを計画し、創作しているように見える。
例えば、身の回りにある風景を見てみると、剪定された樹々や植え込みなど、自然と人工物の境界はぼやけていて、そこに不思議な現代的景観が出現するのである。
会場のコロナ対策について
○マスク着用、入口でのアルコール系消毒・検温をお願いいたします。
○以下に該当する方の入場制限を実施します。
平熱と比べて高い発熱がある場合
咳・咽頭痛などの症状がある場合
新型コロナウイルス感染症陽性とされた方との濃厚接触がある場合
過去2週間以内に政府から入国制限、入国後の観察期間を必要とされている国・地域への訪問歴および当該在住者との濃厚接触がある場合
○館内での会話はお控えください。
○周囲の方と距離を空け、密集・密接にならないようにお願いいたします。
○入館者が一定数を超えた場合には、入場制限を行います。