2013年1月5日 | category: Creative Photography
2012年11月15日、クリエイティブフォトグラフィBの授業にゲスト講師として、建築家の山崎哲哉さんと、コーディネーターの小山田未希さんが来てくださいました。
現在3年生が課題で取り組んでいる「住」の写真とも繋がる「環境と建築」をテーマにお話していただきました。
はじめに、山崎さんが実際に訪れて撮影したインドなどの建築物の写真を見せてくださいました。
スライドで映されたさまざまな国の建築物や、山崎さんが設計した建築物の写真を見ながら、山崎さんの作る建築物は技術だけではなく、その土地や、住む人の環境に合わせて設計するということを教えてくださいました。そのためには、実際に現地へ行き、その土地を知ることがとても大切なのだとお話していました。山崎さんが建築物を設計するということは、その物のみを作りあげるのではなく、周りの空気、環境を含めて設計するのだということです。
これは建築だけではなく、写真にも通じることだと私たちは感じました。私たちが写真を撮る際、多くの場合画面の中にメインのモチーフとなるものが写されます。しかし、私たちはそのモチーフを撮っていながら、同時にその周りの空気も一緒に切り取っているのです。たとえ同じモチーフを撮影したとしても、人によって写真はさまざまです。それは、撮影する人それぞれが、そのモチーフや空気に対して、異なる考えや感じ方で撮影してるからだと思います。そうして1枚1枚空気も含めて作りあげる写真というように考えると、山崎さんの設計する建築物と共通する点があると感じました。
山崎さんが訪れた国々の建築写真を通して、一見デザイン性を重視しているような建築でも、一つひとつの形や色に人々の暮らしを豊かにするような工夫があるのだと思いました。今回の講義を通して、「建築と写真」というまったく異なる分野のものですが、ディテールだけでなく、その周囲の空気や環境を考えるという点で共通するものがあるということを知ることができました。
山崎さん、小山田さん、貴重なお時間をありがとうございました。
取材・文：伊藤 芙実
関連リンク：クリエイティブフォトグラフィ展「衣 食 住」