江原孝則写真展『イセサキ』

2016年9月21日 | category: 卒業生


ehara01

2008年の卒業生、江原孝則さんの写真展が開催されます。

会期:2016年11月1日(火)~11月13日(日)/時間:12:00-19:00(最終日のみ16:00まで)
会場:ルーニィ247フォトグラフィー(Roonee 247 Photography)
住所:東京都新宿区四谷4-11 みすずビル1F
http://www.roonee.com/

群馬県伊勢崎市は関東平野の終わり、利根川沿いにある街だ。人口は20万人ほど、古くから養蚕が盛んで、現在では春は小麦秋は稲の二毛作が主となっている。北には赤城山があり、冬には赤城からの吹きおろしの風“からっ風”が吹く。

高層ビルが立ち並ぶ発展した都市ではなく、だからといって地平線まで田畑が広がるような村落ではない、その中間にあるような街である。ここでは家などの人工物と自然が共に混在する景色に溢れている。

多くの人々にはこの場所の景色を見てなにか特別な感動は起きないかもしれない。ここは容易にたどり着けない厳しい自然の奥地にある秘境や、荘厳なる切り立った山の頂きでもないし、夕景に包まれたなか煌びやかにライトアップされたメトロポリスの都市風景でもない。ここは平均的な数ある日本の一地方である。

だが私にはこの茫漠な景色がとても美しく感じる。

この場所で写真を撮っているとき、この場所を見つめているとき、この地や吹く風や空気の中に包まれているとき、世界に溶けていくような幸福感を感じる。

田畑や道や家々、風や草木が穏やかだがしかし淡々と過ぎていく。その時の中でそれら全てと自分が共に存在している感覚を感じることで、自分も世界と繋がり、その繋がった中で悠久の時を垣間見る。
Ehara Takanori