2015年3月24日 | category: 卒業生
2010年度写真専攻卒業生、田山湖雪さんの写真集出版記念写真展『三重ワンダーランド』が、三重県津市ギャラリーVOLVOXで開催中(2015年3月18日〜3月24日)です。
http://www.volvox-stnk.net/exhibition/
三重県伊勢市にある出版社「月兎舎」が発行している季刊誌「NAGI」にて、4年間の仕事の中で撮影した三重県各地のランドスケープや風土をとらえた作品展です。
この写真展に合わせて、田山さんの初写真集『三重ワンダーランド』も出版されました。写真と詩的で地誌的な短い言葉が織りなす軽やかな構成になっています。
http://www.i-nagi.com
写真展開催中の3月21日には、田山湖雪さんと中里和人先生のトークショーがおこなわれました。
会場には月兎舎の社長や、これまで田山さんが仕事を通じて知り合った三重県の友人、知人などが大勢つめかけ、東京造形大学卒業生も松田真生さん、吉橋悠生さんがかけつけてくれました。
展覧会感想(1)・・吉橋悠生さん
お祭りなどの行事や、海・山などの自然物と市街・建造物などの人工物。それら多種多様な被写体を分け隔てなく撮影しており、どの写真も不思議な心地よさに満ちていた。さりげない風景写真も、三重の風土に密着したものに見えてくるから不思議だ。むしろ、そのようなものにこそ風土を構成する大切なものがあるのかもしれない。
トークショーでは土地に息づく風土・風習への関心や風景に対峙する際の姿勢、さらには死や生といった話題まで、多岐にわたる彼女の関心の広さを窺えた。
また、その後の立食パーティーも盛り上がり、楽しそうに過ごす人達を眺めていると、三重の温和な気風と田山さんの作品には繋がりがあるように思われた。
展覧会感想(2)・・松田真生さん
私は今回初めて三重県をおとずれました。三重県というと伊勢神宮など、伝統的な風土が残る歴史ある土地というイメージでしたが、田山さんの作品にはそれを良い意味で裏切る不思議な風景が広がっていました。一見名付けようのない、とらえどころのない風景達に見えますが、確かにそこには現在形の三重の姿が写っているようにも見えるし、別の次元にある風景にも見える、まさにワンダーランドといった写真でした。
トークショーではそんな作品たちがどんな過程を経て生まれていき、また田山さんがどの様にそういった風景達と出会っていったのか、詳しく聞くことができ、共感する所も多くありました。
非常に短い滞在時間でしたが、とても濃い時間を過ごしました。きっと日本全国に、まだ見ぬ不思議な風景がたくさん拡がっているのだろうと思います。東京から離れて、三重県だけでなく日本全国の様々な土地に旅に出たいと思わせてくれた1日でした。