2012年10月27日 | category: Teaching Staff
東京造形大学客員教授である写真家・高梨豊は、これまで一貫して「都市」を主題に作品を発表してきました。高梨が撮る「都市」の多くに「人間」という要素が組み込まれています。そこには「都市」を身体に例えるならば、人工的な構造物は骨格にすぎず、血や肉となる「人間」という存在があって初めて現実の「都市」を表現できるという考えがもとになっています。
高梨は現実の「都市」を撮るために、これまで様々な方法論を駆使して多くのシリーズを生み出してきました。
その中から今回は、第1部で「人間」が「都市」を形成する《東京人》シリーズ、第2部で「都市」が「人間」を形成する人物写真のシリーズをご紹介いたします。
今日では「人間」を重要な要素として画面に組み込む高梨ですが、写真を始めた若い頃は人前に出ると緊張するため、「人間」を撮ることができなかったといいます。しかし《東京人》以降、人間に真正面から向き合い、作品に組み込むようになります。きっかけは高梨がカメラを「通底器」と捉えたことにあります。それによって「人間」を撮影できるようになり、自身の表現に大きな変化をもたらしました。
本展でご紹介する作品が、皆様にとって写真表現に関心を示す最初の「通底器」になれば幸いです。
2012年10月26日(金)〜 11月10日(土)
日曜日・祝日:休館
10:00〜16:30(入館は16:00まで)
観覧料:無料
東京造形大学附属美術館(ZOKEIギャラリー)
主 催:東京造形大学美術館委員会
展示作品は作家本人によるオリジナルプリントです。
*追加情報
ギャラリートーク
「写真の方法〜高梨豊になんでも訊いてみよう!〜」
方法論の写真家・高梨豊によるトークに質問を交えながら、「写真の方法」について考えます。
日時 2012年11月6日(火)
15:00〜16:30
場所 東京造形大学付属美術館
(大学院棟1階・ZOKEIギャラリー)
参加自由・申し込み不要